ご挨拶

皆さま、こんにちは。

ベトナム日本文化交流センターの所長としてベトナムに再び戻ってくることができ、とても嬉しく思っております。以前は、2010年～2014年まで、こちらの副所長として勤務しておりました。

十年一昔と言われるように、長いブランクのため、ベトナムの異邦人となった気分ですが、少しでも早くまた、こちらのコミュニティの一員として迎えてもらえるように、改めてベトナム語を勉強し直し、ベトナムの文化や芸術に触れていきたいと思います。

長くベトナムから離れている間に、ベトナムにおける「現代性」や「社会問題」は大きく変化したと感じています。それらはベトナムの素晴らしいアーティストやクリエイター、研究者・学者の皆様の作品や著作・論文にも現れていることでしょう。演劇、映画、展覧会、トークイベント、シンポジウムなど、ベトナムで開催される文化イベントにできる限り多く参加することで、ベトナムの現代的な感性や社会状況などへの理解を深めていくとともに、そのお返しに、ささやかながら、ベトナムの皆様のために、日本の最先端の文化芸術や興味深いアイデアをお届けしていきたいと思います。

ベトナムにおける日本語教育や日本研究の分野でお役に立てるように仕事をすることも、楽しみにしていた活動のひとつです。日本で活躍するベトナム人の専門家、労働者、学生の数は、この10年の間に、劇的に増加しました。日本語教育や日本研究の専門家、日本語パートナーズとともに、様々な関係機関の皆様と連携し、協力しながら、日本語学習・教育や日本研究に関心のある方々のために、効果的な支援とサービスの提供ができたらと考えています。

世界は、気候変動、災害対策、高齢社会など、国益を超えた国際協力が求められるような喫緊の課題にあふれています。日本、ベトナム、そして世界で活躍する意欲的な個人の皆様や国際機関、政府機関、公的機関、教育機関、企業、非営利団体など関係機関の皆様と連携しながら、文化の実践と学際的な研究を通じて、これらの課題の解決に向けた活動にも取り組んでいきたいと思っております。

文化の分野において、日越二国間をはじめとして域内の関係を深めていくために、皆さまにお会いできることを楽しみにしております。これからどうぞよろしくお願い申し上げます。

国際交流基金

ベトナム日本文化交流センター

所長

吉岡憲彦