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第12回日本研究セミナー「CLOSE-UP JAPAN」 現代の日本における家族観の変化 ～埋葬形式「樹木葬」の観点から～
第12回日本研究セミナー「CLOSE-UP JAPAN」
現代の日本における家族観の変化 ～埋葬形式「樹木葬」の観点から～
墓地に関する研究を通して家族の価値を探る
2024年11月24日に、国際交流基金ベトナム日本文化交流センターは、ベトナム国家大学ホーチミン市校・人文社会科学大学・日本学部の副学部長であるNguyễn Thị Hoài Châu（グエン・ティ・ホアイ・チャウ）博士による「現代の日本における家族観の変化～埋葬形式「樹木葬」の観点から～」と題する講演を開催いたします。本講演は、日本研究セミナーシリーズ「Close-up Japan」の第12回となります。
2020年に始まった日本研究セミナーシリーズ「Close-up Japan」は、日本の文化、社会、文学などを専門とするベトナム人研究者による研究成果を一般の方々にわかりやすく紹介する企画として、ベトナム人の日本への理解をより深めるとともに、ベトナムにおける日本研究の振興を目的としています。
本講演では、現代日本における家族観の変化について、墓石の代わりに樹木を墓標とする埋葬方法である「樹木葬」の観点から分析します。チャウ博士の研究は、埋葬方法に着目するという一見「家族」というテーマとは関連があまりないように思えますが、実際には、「埋葬」という行為は、家族観、宗教観、自然観などと密接に関わっています。日本では、少子化が進む日本において、家族の重要性を再認識する日として、家族の日（2024年は11月17日）が制定されています。本講演を通して、参加者の皆様に家族の役割についてより深く考えていただくきっかけになれば幸いです。
従来、家族の結束と子孫の繁栄は、日本をはじめアジア諸国で根付いている価値観でした。そのため、伝統的な家父長制の家族構成の中で先祖代々受け継がれている、家系単位の「家墓」は長い間重要な役割を担ってきました。他方、近年では、少子高齢化や家族観・宗教観の変化の影響により、埋葬形式の変化が生じており、その中で「樹木葬」も一つの選択肢として考えられ、日本でますます広まりつつあります。
日本の伝統的な家族観や社会的価値観にどのような変化があるか、その変化は樹木葬への関心をどのように高めているか、また、樹木葬の普及が日本を含む各国の社会や家族にどのような利点と課題をもたらすのでしょうか。チャウ博士による樹木葬の特徴、受け入れられ方、実践方法の紹介をきっかけに、家族や社会に対する新たな視点を提供し、皆様と議論する場となることを期待します。
昨今急速に少子高齢化が進み、火葬の普及が進んでいる中で、ベトナムの文脈において本テーマは重要な意味を持つことでしょう。
■ イベント情報
■講師情報 _ 
Nguyễn Thị Hoài Châu博士（グエン・ティ・ホアイ・チャウ）
ホーチミン市出身。現在、ベトナム国家大学ホーチミン市校・人文社会科学大学 日本学部の副学部長を務める。
岡山大学にて、2010年に修士号、2015年に博士号を取得。専門分野は社会文化学、文化人類学、埋葬文化、家族文化。
独特な視点により日本研究を展開。特に、家族墓に関する研究を通した家族観、社会観、高齢社会に関する洞察し、現代社会や将来における重要な知見を提供。
主な研究として “Study about the ancestor worship in Vietnam -The study case of Ho Chi Minh city-” (2016)、“現代日本における樹木葬について”(2019)、“日本における家墓について 東京・大阪の都市部 における現地調査を中心に”(2020)、“Ancestor Worship in Contemporary Vietnam: A Study of Filial Piety” The International Journal of Religion and Spirituality in Society (2024)、などがある。
■ CREDIT
主催： 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
■ 問合せ
Ánh (083-369-1818) / 大須賀
国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
27 Quang Trung, Hoàn Kiếm, Hà Nội, Việt Nam
TEL: 024-3944-7419
