イベント

開催予定のイベント

170回芥川賞作家・九段理江さん

『東京都同情塔』ベトナム語版出版記念イベント

<ハノイ>

1.出版記念トークイベント

【日時】 2025年11月30日(日) 14:00 – 16:00
【会場】 San Ho Books (DEVYT本社ビル内)(55 Truong Cong Giai, Cau Giay, Ha Noi)
【モデレーター】 Quyên Nguyễn
【参加料】 無料(要事前登録)https://tinyurl.com/rie-qudan-hanoi

 

2.対談「九段理江とMaik Câyとの対話:言葉から世界を創り出す」

【日時】 2025年12月1日(月) 19:00 – 21:00
【会場】 San Ho Books (DEVYT本社ビル内)(55 Truong Cong Giai, Cau Giay, Ha Noi)
【モデレーター】 Quyên Nguyễn
【参加料】 https://tinyurl.com/rie-qudan-maik-cay-hanoi

 

<ホーチミン市>

出版記念トークイベント

【日時】 2025年12月7日(日) 14:00 – 16:00
【会場】 在ホーチミン日本国総領事館(261 Điện Biên Phủ, Xuân Hòa, TP. HCM)
【モデレーター】 Đào Lê Na
【参加料】 無料(要事前登録)https://tinyurl.com/rie-qudan-tphcm

 

言葉が世界を動かす。九段理江さん、ベトナムで記念イベントを開催

国際交流基金ベトナム日本文化交流センターとSan Ho Booksは、この度『東京都同情塔』のベトナム語版刊行を記念し、作家の九段理江さんをベトナムに招へいして、ハノイとホーチミン市の2都市で出版記念イベントを開催します。

九段理江さんは、日本の文学界で最も重要な賞の1つである芥川賞の受賞者として知られ、独自の語りのリズムと鋭い社会観察で高く評価されています。穏やかな文体の中に潜む緊張感、何気ない日常からすくい上げる深い孤独や感情の複層性など、作品が描く世界は、現代社会を生きる読者に強い共感と発見をもたらします。若手ながら現代日本文学の新たな地平を切り開く作家として注目を集めています。

『東京都同情塔』は、東京を舞台に、個人の感情や社会のひずみが織り交ざる日常を繊細に描いた作品です。人と人との距離や、無意識のうちに生まれる境界線と共感の可能性を探るこの物語は、人の心のゆらぎを静かに掘り下げ、読む者に深い余韻を残します。ベトナム語版の刊行は、東京の空気感や社会のリアリティを異なる文化圏へ届け、読者が自分自身の経験と重ね合わせながら読み解く新たな読書体験を生み出す契機となります。

今回のベトナム訪問では、九段さんとの多面的な交流プログラムを用意しております。出版記念トークイベントでは、作品誕生の経緯、言葉の選び方、作品の一部に生成AIを活用するなど、創作への思いを語っていただきます。また、読者との交流の時間も設け、作品を異文化からどのように受け止めたのかといった声が直接交わされる場となります。

また、ベトナム人作家Maik Câyさんとの対談では、言語も文化も異なる二人が、どのように世界を観察し、社会の変化をどう捉えるか、言葉はどこまで現実を表しうるのか、作家自身と読者との関係をどう考えるかなど、創作の核心に触れる対話が期待されます。

また、ハノイとホーチミン市人文社会科学大学にて学生との交流会も予定しており、日本語を学ぶ学生や日本学を専攻する学生が参加します。九段さんから語られる言葉は、学生たちにとって教科書では学べない日本語のニュアンスや、現代の日本社会をより深く知る手がかりとなるでしょう。

国際交流基金ベトナム日本文化交流センターとSan Ho Booksは、今回の出版記念イベントを、両国の文学が交差し、読者と作家、異文化が出会う場として位置づけています。九段理江さんの作品と語りが、ベトナムの読者に新しい視点と創造の喜びを届けることを願っています。

 

<お問合せ>

Ms. Anh 024-3944-7419 (ext. 136) / Mr. Osuka (076-606-0858)

国際交流基金ベトナム日本文化交流センター

27 Quang Trung, Cua Nam ward, Hanoi, Vietnam                                    TEL 024-3944-7419

https://www.facebook.com/japanfoundation.vietnam/                     https://hn.jpf.go.jp/

 

クレジット

主催:国際交流基金ベトナム日本文化交流センター、San Ho Books

協賛:Amanaki Thao Dien, NÚC concept Kitchen & Bar

 

登壇者略歴

九段 理江(くだん りえ)

作家

1990年、埼玉生れ。2021年、「悪い音楽」で第126回文學界新人賞を受賞しデビュー。同年発表の「Schoolgirl」が第166回芥川龍之介賞、第35回三島由紀夫賞候補に。2023年3月、同作で第73回芸術選奨新人賞を受賞。11月、「しをかくうま」で第45回野間文芸新人賞を受賞。2024年1月、「東京都同情塔」で第170回芥川龍之介賞を受賞した。

 

 

Maik Cây(マイク・カイ)

作家、映像作家

ベトナムの若手文学シーンを代表する作家であり、独立系の映像制作者としても活動している。2018年、若手作家の登竜門として知られる 第6回「Văn học tuổi 20(20歳文学)」賞 において、第2位(1位該当なし) を受賞し、広く注目を集めた。

代表作の 『Wittgenstein của thiên đường đen』(『黒い天国のウィトゲンシュタイン』)では、哲学的思索と大胆な物語構造を融合させ、その独創性と表現力が高く評価されている。文学以外にも映像表現に取り組み、アイデンティティや想像力の領域、現実と内面世界のあいだを往還するテーマを探究している。

 

Quyên Nguyễn(クエン・グエン)

文学評論家、翻訳家

独立系非営利オンライン文学レビュー Zzz Review の共同創設者であり、チーフ・エディターを務める。

シンガポールのナンヤン工科大学で英文学の博士号を取得しており、博士論文はジェームズ・ジョイスをテーマとする。研究分野はモダニズム、翻訳学、現代ベトナム文学で、研究成果は Palgrave Macmillan などで出版されており、文学批評は Literature Korean Now や COLORSxSTUDIOS に掲載されている。また、さまざまなベトナムの学術誌や雑誌にも寄稿している。翻訳者としても活動しており、16年以上の経験を持つ。代表的な翻訳作品には、レイモンド・カーヴァー『愛について語るときに僕らの語ること』(共訳)、イアン・マキューアン『贖罪』、ジェフリー・ユージェニデス『ミドルセックス』などがある。

 

Đào Lê Na(ダオ・レ・ナ)

ホーチミン市人文社会科学大学・文学部芸術学科長

専門は、文学理論、翻案研究、映画学

主な著作・研究実績

・『Screenwriting Techniques』(2020)

・『Contemporary Japanese and Vietnamese Cinema: Cultural Exchanges and Influences』(2019, 編集)

・『The Horizon of Pictures: From Literature to Film through the Case of Kurosawa Akira』(2017)

・小説『The Narrative of Raindrops』(2019)

・論文「From darkness to illumination: Japanese philosophical perspectives on guilt and awakening in Akira Kurosawa’s short films」(2025)

・論文「Queer aesthetics and Confucian legacy in On Earth We’re Briefly Gorgeous and Goodbye Mother」(2025)

 

■ 報道用写真データ

留意事項:

以下の画像をメディアで使用する際は、必ず以下のクレジットおよび情報を記載してください。また、オリジナルサイズの画像は以下のリンクから取得できます (PR kit)

 

 

メールアドレス登録

国際交流基金ベトナム日本文化交流センター

27 Quang Trung, Cua Nam ward, Hanoi

jpfhanoi@jpf.go.jp

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